鉄鋼板の超音波接合の研究
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・超音波接合研究の一環として,鉄鋼板の超音波接合の研究を行っています。地球環境の保全策として,自動車をはじめとした車輌の軽量化研究が行われています。自動車の軽量化策として,微細粒の高強度薄鋼板の適用が進んでいます。高強度微細粒鋼板は接合等の加工を受けて製品に変わっていきます。その接合加工時には,できるだけ微細粒を維持する必要があります。したがって,高温加熱を伴う接合法は適用できません。そこで,考えられる接合方法として,常温大気中で接合を行うことができる「超音波接合法」が登場してきます。これまでに得られた研究結果の一端を紹介します。
・接合した材料: SPCC (冷間圧延鋼材)で今のところ,板厚は0.4mmとしています。今後,実際はもっと厚板でも可能です。
・二枚の板を重ね合わせて,超音波接合した試験片を折り曲げて,間にスペーサーを挿入して引張引きはがし試験を行って,接合部の強さを評価しました。この試験法は,せん断試験に比べて非常に厳しい試験法です。
・引張引きはがし試験の結果の一例を下図左に示します。接合は,加圧力1176N,接合時間1秒で実施。
接合部強さは非常に大きく,上の右図のように母材ボタン破断となっている。下図は,接合部の写真である。中心部は良く接合されている。