異種金属・材料の接合

 異種金属を、アーク溶接のように溶融させて溶接すると、ほとんどの場合一見溶接されたように思えるが、その継ぎ手は非常に脆くなっており、継ぎ手としての性能は多くの場合発揮されない。これは、溶融部に、硬くて脆い金属間化合物相が多量に形成されるためと解釈されている。
 そのため、異種金属を接合する場合は、ろう付や固相接合や液相拡散接合などの溶かさない接合法が適用され、活躍している。
 当研究室では、いろいろな異種金属の接合を、ろう付法や超音波接合法によって行っている。接合面性状と接合性について、子細な金属組織の解析やAESやXPS表面解析装置を駆使して研究がなされてる。
 また、セラミックスと金属の超音波接合も行われており、界面での接合機構の検討がAESによって解析されている。
 地球環境を考慮した自動車の軽量化を目指して,鉄鋼材料とアルミニウムの接合が大きな課題となっている。この両者を溶融溶接すると前述のように,溶融部には硬くて脆い金属間化合物が形成されて,継手としては失格である。
 当研究室では,鉄鋼とアルミニウムを固相状態で接合すべく,「界面活性化凝着接合法」という新しい接合法を考案して,その接合に取り組んでいる。手法としての完成を見,鉄鋼とアルミニウム合金の突き合わせ接合に世界で初めて成功した。
 一方,同種材料として,鉄鋼板の超音波接合にも成功しており,母材破断する高強度の接合体が得られています。鉄鋼板の超音波接合の箇所を見て下さい。
      
        
 
◎新しい接法「界面活性化凝着接合法」によって突き合わせ接合された, SS400と5083Al合金板の接合部の組織の一例を示す。
  これに関する詳細は,
当研究室が世界で最初に論文発表しています。 
Materials Science Forum (2003), 溶接学会論文集(2004)及び,AWSのWelding Journal(2004) に掲載されています。是非ご覧下さい。
  
同様に,SS400軟鋼板とMg合金AZ31B板との突き合わせ接合の研究も行われており,溶接学会論文集に掲載されています。
   




接合部断面組織,破線は破断経路

◎ 軟鋼板とAl−Mg合金板の抵抗スポット溶接の研究
   車両の軽量化を目指して,鉄鋼板とアルミニウム合金板との抵抗スポット溶接の研究が行われています。詳細な内容は,溶接学会論文集(平成17年,8月号)に論文として公開されています。純Alシートをインサートすることによって母材破断する強い継手が得られています。


◎ 軟鋼板とal-Mg合金板の超音波接合の研究
  鉄鋼板とAl-Mg合金板の超音波接合の研究が行われています。この研究の一部は,平成17年9月の溶接学会秋期全国大会で発表されました。

◎ アルミナとアルミニウムの超音波接合に関する研究  
   この研究の詳細は,軽金属およびTMSのMaterials and Metaluurgical Transaction 論文として掲載されています。




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